作曲:山田耕筰
・内容:ピアノピース
解説
1916年7月21日から24日までの短期間に一気に書かれたピアノ小品集で、山田の3番目の姉にあたる阿部信子の、甥と姪との交歓から着想を得たもの。「おったん」とは当時3歳だった姪の発音によるものであり、その意味はもちろん“叔父さん”である。山田作品の中では比較的平易な書法で作曲されているものの、随所に斬新なフレーズや和声、リズムなどが取り込まれており、シューマンの『子供の情景』やドビュッシーの『子供の領分』に見られるような、深い芸術性が本作にも見出すことができる。各曲には小タイトルが付けられており、第4曲「さあ一緒歌いましょう」には『鉄道唱歌』が、第9曲「夕やけこやけ」には自作の『夕やけの唄』のメロディーを引用している。
1917 年に大阪開成館から刊行された初版には、斎藤佳三による挿絵、山田自身による詩文が添えられており、音楽だけでなくヴィジュアル面からも「子供とおったん」の交歓が分かるように工夫されている。これらの詩文が実際に書かれたのは、おそらく作曲後の出版に際してのことだと思われる。しかしそのモティーフは作曲時にはすでに山田の中には明確化されていたからこそ、音楽と詩文が自然にリンクしているのだろう。本作の演奏解釈の一助となるはずであり、本稿にも掲載しているので演奏の際にはぜひご一読頂きたい。 なお、詩文のルビは初版に基づいており、そこでは「順」や「方」などに不統一の部分も散見されるが、原文通りに掲載している。
作曲:山田耕筰
・内容:ピアノピース
解説
1916年7月21日から24日までの短期間に一気に書かれたピアノ小品集で、山田の3番目の姉にあたる阿部信子の、甥と姪との交歓から着想を得たもの。「おったん」とは当時3歳だった姪の発音によるものであり、その意味はもちろん“叔父さん”である。山田作品の中では比較的平易な書法で作曲されているものの、随所に斬新なフレーズや和声、リズムなどが取り込まれており、シューマンの『子供の情景』やドビュッシーの『子供の領分』に見られるような、深い芸術性が本作にも見出すことができる。各曲には小タイトルが付けられており、第4曲「さあ一緒歌いましょう」には『鉄道唱歌』が、第9曲「夕やけこやけ」には自作の『夕やけの唄』のメロディーを引用している。
1917 年に大阪開成館から刊行された初版には、斎藤佳三による挿絵、山田自身による詩文が添えられており、音楽だけでなくヴィジュアル面からも「子供とおったん」の交歓が分かるように工夫されている。これらの詩文が実際に書かれたのは、おそらく作曲後の出版に際してのことだと思われる。しかしそのモティーフは作曲時にはすでに山田の中には明確化されていたからこそ、音楽と詩文が自然にリンクしているのだろう。本作の演奏解釈の一助となるはずであり、本稿にも掲載しているので演奏の際にはぜひご一読頂きたい。 なお、詩文のルビは初版に基づいており、そこでは「順」や「方」などに不統一の部分も散見されるが、原文通りに掲載している。